【parallel _123_world】

自分も知らないもう一人の自分、あなたの中にも。

 

 

その山はもう4月が終わろうとしてるのにも関わらず、まだ頭が白かった。

遠くから見るとそんなに大きくは感じないが、近くに寄るとその大きさを実感した。

 

自分は一体何者なのか。

1番近くにいる自分には、近すぎてわからない事なのかもしれない。

あの山のように、頭が白くなる時までにその答えが見つかるといいな。

 

アクセルを回る、クラッチを切る。

冷たい4月の風が顔に当たる。

まだ、こちらは寒い。

 

全てを捨てた訳ではない。

むしろ、全てが自分になっただけだ。

これから向かう先を矢印はさしていない。

心のおもむくままにアクセルを回す。