【parallel _123_world】

自分も知らないもう一人の自分、あなたの中にも。

肉と共に死す【短編】

#parallel123world96[短編25]

 

 

昨夜は、次の日が休みということもあり、レンタルした海外ドラマ(DVD)を見ていた。AM2:00を越えて、さらにAM2:30になってしまった。明日は、久々に恋人に会える。そんな時は決まって、こうなる。張り切ってしまうのだろう、まるで遠足の前の幼い子。AM3:00やっと、DVDがキリのいいところでパソコンの電源を落とす。寝ようとしたが、Twitterを開く右手。これだから、現代っ子は困る。いろんな人の呟きを、拾いもせず傍観する。AM3:30、いい加減寝ることにした。

 

 

朝、起きる。起きれないと思っていたが、目覚ましよりも前に起きた。二度寝防止のために、音楽を聴いてテンションをあげる。割と原始的?それから、身支度を済ませて車に向かう。今日も雨だ。それから、車を走らせる。久々に会うが、着飾りもせずありのまま。そんな関係が楽で、居心地がいい。いつもきまって、ランチはタイ料理屋。定員さんに顔を覚えられたらしく「あっ、いつもありがとうございます。」と言われる。こういうのは、割と好きなほう。“常連”とか、“いきつけ”という関係性。

 

 

今日は一日中、夢の中を歩いている気分。さえない頭で、ぼーっと考える。考えていることは、風に流され、考えていたことさえも忘れてしまう。だけど、おいしいものはおいしく感じる。人間の体は、よくできている。最近よく通う、洋服屋に行き、服を購入する。今年一年、服のテーマは『シンプル~魅力は内面から~』。そのことを念頭にしていると、服は“黒”か“白”になってしまう。結果これが、迷わずに済む。

 

 

人間は、何か不慮の事態で、何もできなくなっても『食べる・寝る・排泄』は行う。そうしなければ、死が待っているからだ。施設に入ってしまった祖父。認知症になり、ベッドから動くことが少なくなった。しかし、『食べる・寝る・排泄』は変わらず行っている。今何を考えているのかわからない、今の私には到底わからない境地にいるのだろ。忘れなければならないほどの過去があったのかもしれない。それなのに、祖父はそんな考えをよそに、優しく微笑んでいる。

 

 

恋人とのデートのディナーは、決まって焼肉だ。理由は特にないが、そうなっている。“焼き担当”と“食べる担当”、それぞれに役割がある。まるでこの社会の、ミニチュア模型が焼肉屋の個室にも存在する。ゴミ捨ては私で、料理は君が。掃除は私で、洗濯は君が。そんな感じ、社会での私はどんな役割なんだろう。まだ、模索中である。できることを探すが、それよりも今できることを精一杯やることを選択した。それが、“間違っていない”とか“間違っている”とかはほとんど関係ない。まずは、精一杯。生きていたい。息していたい。

 

 

最後一切れのカルビを食べれば、私も。私も今日の終わりに飲み込まれる。

 

#GWblog毎日更新企画④