【parallel _123_world】

自分も知らないもう一人の自分、あなたの中にも。

parawa123株式会社【短編】

#parallel123world25[短編2]

 

 

○:「ようこそ、こちらはparawa123株式会社で             す。あなたの叶わなかった夢、高く買い取ります。」

 

イヤホンをなくして、心もとない耳にその声は入ってきた。

 

(△):『ん??叶わなかった夢?』

ふと電光掲示板を見上げた。

そこには、たしかに書いてあった

【叶わなかった夢、高く買い取ります。】

 

嘘だと思ったが、なぜか忘れられないまま

バイト先へ急いだ。

 

△:「そういえばさあ。さっき、変な広告みて。」

◇:「何何?」

△:「叶わなかった夢、高く買い取ります。」

◇:「そんなのあるんだ?」

 

その日バイト終わりに、どうしても気になって

バイト先の人と別れた後

ホームページに載っていた住所へ向かった。

深夜3時になっているが、そのお店は煌々と蛍光灯の光が闇を照らしていた。

思っていた雰囲気と違い、とても明るく清潔感のあるお店だった。

 

入ってみると、客はおらず。

(△):『この時間だから、当たり前か』

と思った。

その時、店の奥から店員さんがきた。

 

 

◯:「ようこそ、こちらはparawa123株式会社で             す。あなたの叶わなかった夢、高く買い取ります。なにか、夢をお売りでしょうか?」

 

少し迷ったが、せっかくここにきたのだから

 

△:「3つあるんですけど、いいですか?」

◯:「はい、もちろん。」

△:「では、プロ野球選手。某有名私立大学合格。大好きだった恋人との結婚。」

◯:「承りました。こちら、3点で12630円になります。」

以外に高いと思い、お金を受け取り外へ出る。

 

 

その後、そのお金は使わなかった。

あれから1年。あの会社の店舗がなくなった。

あの3つの夢も叶うことはなかった。

 

あの夢の行方は、、、。