#parallel123world76[短編15]
『闇へと』葬る。
『病み干支』を描く。
あの頃の絵を、出してきた。
あれは、3年前、私はここに住んでいた。
下町のアパートを、改装して。
シェアハウスを経営している。
なぜか、ここに戻ってきたかった。
それは、春だからか。それは、わからないけど。なぜか、ここに戻ってきた。
「お久しぶりです。」ではなく、「ただいま。」と素直に言った自分に、少し驚きながら、嬉しさもありドアをあける。
いつもと同じように、ご飯を作ってくれる。
食後には、プリンではなく、コーヒーゼリー。
そういえば、ここでみんなで
ワイワイしてたな。
懐かしいのと、今の自分と、なんか
いろいろ混ざって。
嬉しくなった。
あの頃の自分。
今の自分。
変わったものは何で。
変わってないものは何か。
好きなものは、ピザポテト。
好きなとこは、ここの屋上。
そんな感じの学生時代を懐かしみながら、明日が仕事だと憂鬱になる。
この絵を見ながら、学生時代の自分は疲れてたみたい。この先が見えない、毎日に追われて、不安と期待がグルグルして、目が回る。でも、今見ると「それ以上にキツイことがあるよ。だから、大丈夫。」って言いたくなる。
私も大人になったみたい。